研究成果1
(論文としてまだ未公表な成果もあります)
図 Coupled Level-set/Volume of Fluid (CLSVOF) 法による液体中を上昇する気泡の数値解析
(左):Bhaga と Weber (1981)※ による実験結果 (右):数値解析結果
※ D. Bhaga and M. E. Weber, J. Fluid Mech., 105, 61 (1981).
(左):Bhaga と Weber (1981)※ による実験結果 (右):数値解析結果
※ D. Bhaga and M. E. Weber, J. Fluid Mech., 105, 61 (1981).
計算結果は実験結果と良く一致する.なお,図において,Re:Reynolds 数,Eo:Eotvos 数, M:Morton 数 である
図 CLSVOF 法による高 Eo 数,低 M 数条件領域の液体中を上昇する気泡の数値解析
初期流動条件に応じて,気泡の最終運動形態が異なることが分かる
図 CLSVOF 法による液体中を上昇する2つの気泡の合一過程の数値解析
図 CLSVOF 法による混じり合わない液体中を上昇する液滴の数値解析
(左):実験結果 (右):数値解析結果
(左):実験結果 (右):数値解析結果
液滴運動は周囲流体と液滴の粘度比の影響を受ける.トロイダル型分裂は良く知られているが,ある物性条件下でダンベル型分裂が起こることを初めて発見した
図 液滴に作用する揚力 (左):高粘性系 (右):低粘性系
左右の壁が上下逆方向に動いており,剪断場が系内に形成されている.そこに,下方より液滴を生成させ,剪断中での液滴運動を観察した結果である.剪断場中では液滴は揚力を受けるが,図は,粘度比 κ (= 液滴粘度/周囲流体粘度)をパラメータして,周囲流体が高粘性である系と低粘性である系で比較している. 両系とも Eotvos 数 (Eo) =3.6,剪断速度 Γ = 2.5 1/s で固定されている.高粘性系と低粘性系で,揚力の作用方向が異なっていることが分かる.また,粘度比も液滴に作用する揚力に大きく寄与していることが分かる
図 CLSVOF 法による液滴の剪断変形・分裂現象の数値解析 (Ca = 0.3) (上段):κ = 1 (下段): κ = 0.001
上下の壁が左右逆方向に動いており,剪断場が系内に形成されている.密度比 η (= 液滴密度/周囲流体密度) = 1 とした条件で,系内中央に置かれた液滴は剪断の影響で変形を始める.この現象は,Re 数,Ca (Capillary) 数,粘度比 κ (= 液滴粘度/周囲流体粘度) で整理され,ある臨界条件になると液滴は分裂に至る. 上段は,κ = 1 の時の解析結果, 下段は,κ = 0.001 の時の解析結果である.これらは Ca = 0.3 として各々の粘度比条件で液滴が分裂に至った臨界 Re 数条件での結果である.κ = 0.001 での臨界 Re 数(= 33.0)は κ = 1.0 での臨界 Re 数(= 1.1)の30倍もあり,粘度比が小さくなると液滴の分裂を生じさせるには非常に大きな剪断が必要であることが分かる.また,液滴の変形・分裂過程も粘度比に応じて大きく異なることが分かる
図 CLSVOF 法による気泡の剪断変形・分裂現象の数値解析 (Ca = 0.3)
上で示したの液滴の剪断変形・分裂現象を気泡に対して行った結果である.密度比 η (=気泡密度/周囲流体密度) = 粘度比 κ (= 液滴粘度/周囲流体粘度) = 0.001 とし,Ca = 0.3 に対する臨界 Re 数での結果である.κ = 0.001 での液滴の剪断・変形分裂現象と似ているが,液滴のように縮むことなく,スムーズに分裂にいたる.η = 1,κ = 0.001 の条件を持った液滴の剪断・変形分裂現象と比較すると明らかなように,気泡の分裂を生じさせるためにはさらに大きな剪断が必要である.気泡/液滴の剪断・変形分裂現象において密度比の影響も大きいことが分かる.
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