研究テーマ

　流体の流れは，機械工業をはじめとする様々な工業分野においても非常に重要な役割を果たしています．したがって，流体の流れを利用する工業装置・機器，工業プロセスでは，流れの性質を理解した上で，流れをうまく操作・制御することが必要となります．本研究室では，理工学分野で重要となる流動現象の解明や制御法に関する研究に取り組んでいます．本研究室で取り組んでいる主たる研究は以下の課題です．
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気液二相流・液々流の流動ダイナミクス
　液体と気体が混在する流れ(気液二相流)や混じり合わない液体同士が混在する流れ(液々流)を対象として，これらの混相流系での様々な流動ダイナミクスの解明を行っています．これらの混相流系では，気液(液々)界面がダイナミックに変形しながら，複雑な流動場を形成するため，解明されていない流動現象がたくさんあります．本研究室では，気液二相流・液々流の様々な複雑流動現象のメカニズム解明に取り組んでいます．

複雑特性を持った流体の流動ダイナミクス
　工業製品，生活用品を作る過程では，複雑特性を持った流体(複雑流体)を多く扱います．複雑流体の身近な例としては，マヨネーズやケチャップなどの食品があります．また，ゴム製品やプラスチック成形品を作る過程では，高分子からなる複雑流体をハンドリング・制御します．複雑流体のハンドリングは難しく，解決するべき問題が沢山あります．本研究室では，工学的な設計パラメータの提案を最終的な目標において，複雑流体の流動メカニズムの解明に取り組んでいます．

気-液-液三流体の流動ダイナミクス
　工業プロセスでは気液・液々・固液・固気二相流だけでなく，より複雑な多相流れの評価も重要となります．多相流系では，多数の界面がより複雑にダイナミックに変形しながら，また，混じり合わない流体同士が複雑に相互に影響を及ぼしながら流動場が形成されるため，未解明の流動現象が多数あります．本研究室では，様々な気-液-液三流体の複雑流動現象の解明に取り組んでいます．

相変化を伴う混相流れ
　工業プロセスでは，熱・物質移動を伴う流動問題の評価も非常に重要です．熱・物質移動は界面を介して行われ，その詳細なメカニズムにはまだ未解明な点が多く残されています．本研究室では，沸騰・溶融・凝縮・凝固と言った相変化を伴う移動現象問題に取り組んでいます．これらの系は，非常に短い時間スケール，非常に小さい空間スケールで生じる現象であり，数値解析を用いた高度な現象解明に取り組んでいます．